お墓はなんのために作るの?
今から約10万年前の、ネアンデルタール人の時代には、すでにお墓がありました。遺跡から、亡くなった人が埋められているまわりに、たくさんの花の花粉が見つかっているのです。このことから、ネアンデルタール人が亡くなった人を大切にあつかっていたことが分かります。ネアンデルタール人と同じように、今でもわたしたちはお墓にきれいなお花やおいしい食べ物をお供えしますね。お墓は亡くなった人を大切にするためのものなのです。
また古代の日本では、古墳という巨大なお墓が作られました。あれだけの大きさのお墓を作るのは、とても大変なことですから、一部の権力のある人だけが作ることができました。大きなお墓を作ることは権力のしょうちょうで、力の大きさを示して人々を治めるために作られました。古墳というお墓はその人がいたというあかし、記念碑(きねんひ)としての役割を持っていたのです。これと同じように、現在のお墓も、亡くなった人の名前を彫刻したり、その人が好きだったものを表した形にしたりして、その人を思い出すための記念碑とするのです。
亡くなった人を大切にするためのもの、また亡くなった人が生きていた「あかし」という意味のほかにも、お墓は亡くなった人とお話をする場所でもあります。
わたしたちは、うれしいこと、悲しいことや、その日にあった出来事を、お家の人にお話しますね。それと同じように、亡くなったおじいさんやおばあさんとお話をするためのところがお墓です。亡くなったおじいさんやおばあさんは、会うことはできないけれど、いつも家族を見守っていてくれます。お墓の前で、思ったこと、考えたことを心の中でお話して、毎日元気で暮らしていることを感謝するのです。
また亡くなった人が「あの世」で幸せにくらせるようにと、おいのりをするための所でもあるのです。