線香の火を絶やしてはいけないのですか?
亡くなったら、葬式の日までお線香を絶やしてはいけないのですか?
通夜の夜に翌朝まで交代で故人を見守り、お線香やろうそくを絶やさない「寝ずの番」という慣習がよく行われます。
通夜じたい、近しい方々がこの世で故人と過ごす最後の晩であり、思い出を語り明かす、故人を夜通し守るという意味がもともとはありました。
ただ「寝ずの番」の現実的な理由としては、かつては医療技術が今のように高くなく、亡くなったと判断されても息を吹き返すことがあったため、これをひと晩かけて確かめる番であったとも言われます。
現在ではご家族のお体のことを考え、夜通しでお線香の番をすることはあまり行われません。
また、番をしなくても時間が長持ちする、渦巻き型の長い線香を使うことも多くあります。
逆に斎場によっては、防火のために夜間のお線香を禁止しているところもあります。
しかし身近な方を亡くされ、喪失感や悲しみのためかなかなか寝付けないこともあるのでしょう。遅くまで棺のそばに寄り添っていらっしゃる方を私たちもしばしばお見受けします。