大野屋テレホンセンターには終活(しゅうかつ)についての相談が年々増えています。
終活についてのよくある疑問や注意点について、テレホンセンタースタッフがご紹介します。
「終活」はずっと以前からありました
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「終活」という言葉自体は比較的最近のものですね。2012年の流行語大賞に選ばれたのを機に、一般の方にも一気に広がってきた印象です。
終活とは「人生の終わりのための活動」の略で、人生の最期をより良いものとするために準備しておくことです。一口に「終活」といっても、生きているときに必要な医療や介護のことから、亡くなってから必要になるお墓やお葬式、お仏壇のこと、財産分与や遺品整理のことなど、内容は多岐にわたります。
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具体的な準備事項だけでなく、残される家族へのメッセージや想いを書いておくとか自分史を残すことも終活に入りますね。
ですから、終活の相談といっても、ご相談者の関心をもっている内容は本当にさまざまです。
また「終活」というと、一過性のブームのようにも思えますが、実際にはこの言葉ができるずっと前から終活を行っている人はいたのです。元気なうちから自分自身のお葬式のことを相談にいらっしゃる方は以前から多かったですね。
「家族葬」が終活の背景にあるように思います
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最近のお葬式の傾向が「家族葬」であることが大きく関わっていると思います。故人と直接親しくなかった方の参列を遠慮し、本当に近しい家族・親族・友人だけで少人数で見送る家族葬は人気が高まっていますがまだまだ新しい形ですので、「家族葬をやりたいけど不安、実態を知りたい」ということで、事前に調べておく人が増えていたという背景はあります。
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そうですね。お葬式はかつては家族親族、近所や地域の人、寺院や宗教者の3者が協力して行うものでしたが、今の時代、核家族で一緒に住んでいる家族が少ない、またご近所同士の助け合いなどが減ってきて、喪主となる家族の負担がとても大きくなってきました。
そうしたときに、「子供や残された人に、自分のお葬式のことで迷惑はかけたくない」という気持ちで、自分でしっかり準備しようということだと思います。
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私もそうですが、いわゆる団塊の世代はそれなりに教育もきちんと受けてきて、自分の意見というか、自分が納得できるものでないとイヤなんですよね。
だからお葬式にも「自分らしさ」を求めるということはありますね。私もお葬式の生前予約をしています。
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でもその生前予約で、家族とちょっとしたトラブルになったとか・・・(笑)
実は「終活」でトラブルに・・・
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そうなんです。以前から家族には
「葬儀の生前予約してあるからね」
とは言ってありましたが、具体的な内容をしっかり説明したことがなかったんです。
大野屋の生前予約は、2年に1度の見直しをするのですが、毎回、職場の人たちも一緒になってああでも無い、こうでも無いと修正を重ねてきて、その度にシンプルでお安くなってきていましたし、遺影写真もプロのカメラマンに撮ってもらって、万全とまではいかなくても、自分では結構満足していたんですよね。
それが、この前、娘夫婦に内容を話したら大ひんしゅく!
お金も面倒もかけるし・・・と昔の友人や田舎の親戚には後日はがきでご挨拶すれば良い!法事も49日までしてもらったらあとは永代供養で・・・というのが、納得がいかなかったようです。
娘たちからは
「自分たちに面倒掛けたくない気持ちはありがたいけど、そもそもお葬式ってお母さんのためだけのものではなくて、家族や関わりのあった人達とのお別れの儀式ですよね? だから自己満足や気休めかもしれないけど、みんなできちんと供養することで、生きてた時には言えなかった感謝とか、罪滅ぼしをした気持ちになれるんじゃないかと思うんですけど・・・。
そうでないと家族の気持ちはどうやって処理したら良いんでしょうかね?」
といわれました。
「私の終活」が単に私だけのものではく、家族の気持ちを知ることができるいい機会になって、とてもうれしかったですね。
「今」を楽しめるのが終活のいいところです
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それに終活って、「もしも」のときのためだけではないんですよね。たとえば自分史を作ったり、万が一のときの連絡先リストを作る中で、「そういえばあの人に何年も会っていないな」とか、「思い出のあの場所にもう一度行ってみたいな」とか、ふだんは何となく思っているけど後回しになりがちなことを、改めて実感するんですよね。それで、「じゃ思い切って久しぶりに連絡を取ってみようか」「家族旅行をしようか」なんて実行に移すことができたら、本当にすばらしいなと思います。
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「遺言状を書く」なんていうと大げさで億劫になってしまいますけど、終活という気楽な感じで、本屋さんに出かけてエンディングノートを買ってきて、ちょっとした時間に書いてみる。それだけで始められるのもうれしいところですね。
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エンディングノートを書いたら、家族に保管場所を知らせておくのも忘れずに!
家族がノートの存在を知らず、お葬式など全て終わってから、銀行の貸金庫から発見された、なんて例もあります。
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