家紋(かもん)って何ですか?
家紋は今から900年も前の平安時代に、公家が家具や身の回りの品々に美しい紋様(もんよう)を付けたのが始まりで、貴族たちの間で流行し家紋として定着して行きました。
その後、鎌倉時代になると武士の間では戦場で敵・味方を見分けるための目印の意味も含めて広く使われる事になりました。一般的に「旗紋」「幕紋」と呼ばれるもので、デザインも貴族達の品がよく美しいものから簡単でシンプルなものに変っていきました。
江戸時代になると単に「家のしるし」としての意味合いだけになり数も1000種類くらいで多くはありませんでしたが、幕末から明治時代になると一般の人たちの間で再びはやり始めて、家具や調度品、正式な時に着る着物などにも付けるようになり、デザインも20.000種と豊富になりました。
ところで、映画「水戸黄門」の中で「頭(ず)が高い。この紋所(もんどころ)が目に入らぬかー」と言って印籠(いんろう)を見せると、たちまちに悪党たちも「ははーっ。」と言ってひれ伏してしまいますが、その際に見せる紋所とはこの家紋の事です。
「あおいのご紋」を見せる事は、絶対的な権力者である「徳川家」をあらわす事になったわけですね。