第52号 『意外と知らない「お盆の常識」』(2008/05/25発行)
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┏━ 今月号 もくじ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃
┃ 1◆ 特集 「 知っているようで意外と知らない『お盆の常識』 」
┃
┃ 2◆ 相談員のつぶやき「 誰も住んでいない実家。お盆はどうする? 」
┃
┃ プレゼント
┃ 「 マナーの充実の内容!クロワッサンプレミアム7月号 」
┃
┃ 3◆ 編集後記
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◆ 特集 「 知っているようで意外と知らない『お盆の常識』 」
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仏事のことで、多くの方が迷い悩まれるのは、年2回。
お盆と年末(喪中はがきの時期)なのです。このときには日頃あまり仏事に親し
みのない人も含め、多くの人が仏事ごとに関わる機会が増える時期なのですね。
今回は、そのお盆について、知っているようで意外に知られていないお盆の常識
をお届けします。
・・・お盆とは・・・
お盆には、亡くなった人の霊があの世から帰って来て、家族や子孫と共に過ごす
という、日本の伝統行事です。
お釈迦様の弟子の母親が、死後「餓鬼道」という飢えに苦しむ世界に落ち、お釈
迦様の教えによって救われたのが、7月15日といわれています。そのいわれか
ら仏教ではこの時期に先祖供養を行うようになりました。
(*浄土真宗や神道の方は、特にお盆をいたしません。)
・・・お盆の期間・・・
地域によって時期はまちまちですが、7月15日を中心に行う地域と、8月15
日を中心に行う地域に大きく分けられます。
上記の仏教の教えによれば、7月が本来なのですが、暦が新暦に変わると、農作
業の繁忙期にあたるようになってしまいました。そのため、農業が盛んな地域で
は月遅れの8月に行うようになっています。
□ 都会では 7月13日~15(16)日
□ 農業が盛んな地域では 8月13日~15(16)日
・・・初めてのお盆『新盆』・・・
亡くなって初めてのお盆を『新盆』(にいぼん・しんぼん・あらぼん・はつぼん)
と言います。
基本的には、通常のお盆と大きくは変わりないのですが、故人が初めて家に戻っ
てくるので、より丁寧にお迎えします。
通常のお盆と違う点は、
・白張り提灯(白紋天)を飾ること
・僧侶に依頼して法要をすることも多い
・お参りのお客様が多い
という点です。
僧侶を迎えて読経をしていただいたり、親戚や知人友人がお参りに来たりという
こともありますので、準備も通常のお盆よりは少し早めに行うことをおすすめし
ます。
ちなみに、新盆は49日があけた後に初めて迎えるお盆ですので、亡くなったば
かりで、まだ49日も迎えていない場合には、新盆は翌年となります。
・・・提灯(ちょうちん)・・・
お盆につきものの、提灯。
故人の霊に提灯の灯りを目印に帰って来てもらい、また帰ってきた霊を、華やか
な提灯で慰める意味もあります。
●新盆提灯(白紋天)
新盆を迎える家で用意します。
新盆に限り、清淨無垢の白で御霊を迎える意味から白木で作られた提
灯が最も多く使われます。
新盆用提灯を使うのは1回(1年)限りです。
お盆の後、自宅の庭でお焚き上げしたり(供養のため燃やす)、川に
流したり、菩提寺に持っていき供養してもらいましたが、最近の住宅
事情や廃棄物処理の規制によって、提灯を自宅で燃やすのは難しくな
っていますので、紙などに包んで他のゴミとは分けて処分することが
多くなっています。
●一般の盆提灯
絵柄のついた一般の盆提灯は親戚や知人から贈られるほか、家族で用
意しても構いません。家紋をつける場合もあります。正式には一対で
用意します。
伝統的な絵柄提灯、明るく華やかな回転灯のほかにも、最近ではデザ
イン性が高く、インテリアとも合うような創作提灯も多く販売されて
います。
お盆が終わったら、きれいに掃除して来年まで保管しておきます。
・・・盆棚(精霊棚・先祖棚)の飾りかた・・・
「盆棚」という、お供え物を供え、精霊をお迎えするための棚を用意します。
棚にはござや真菰(まこも)を敷き、中央に位牌を置きます。お供え物は、ナ
スやキュウリで作った牛や馬、お膳や、だんご、そうめん、季節の野菜や果物
を供えます。
また、洗った米になす、きゅうりなどを賽の目に刻んだものを混ぜて、はすの
葉の上に盛り付けた「水の子」と呼ばれるものも供えます。
棚の左右にはちょうちんを飾ります。
*「盆棚」の飾り方は、地域によって異なります。
盆棚の飾り方をイラストで。
http://www.ohnoya.co.jp/faq/dictionary/obon/bondana.shtml
・・・お参りの仕方・・・
親戚や知人宅へお参りに行く場合には、なるべくお盆期間中に、先方の都合を
確認してうかがいます。
その際には、「御仏前」やお供え物をお持ちします。
親しい方であれば、盆提灯を贈ってもよいでしょう。
・・・棚経とは・・・
お寺のお檀家になっている場合には、特に新盆でなくとも、僧侶が自宅を訪ね
お経をあげてくださることがあります。これを棚経といいます。
棚経に来ていただいたときには、お布施を差し上げ、遠方から来ていただいた
場合には別に「御車代」を用意します。
・・・迎え火・送り火・・・
13日の夕方には、自宅の門口などで、小さな火を焚き、仏様をお迎えします。
お盆の時期になると、仏壇店やスーパーなどでも、おがら(麻の茎を乾燥させ
たもの)やほうろく(素焼きの皿)が、店頭に並びます。おがらは短く折って
ほうろくの上の積み重ね、火をつけます。
15日(地域によっては16日)の夕方、迎え火と同じ手順で、送り火を焚い
て故人を送ります。
・・・お盆のスケジュール ~ 準備と手順・・・
事前の手配 (6月(月遅れの場合には7月)ごろ)
――――――――――――――――――――――――
□ お寺へ法要や卒塔婆の依頼
□ ちょうちんの注文
▼
事前の準備 (7月(8月)12日まで)
――――――――――――――――――――――――
□ 盆棚・ちょうちんの組み立て
□ お墓の掃除
□ お参りの人が大勢来る予定なら、返礼品を準備しておいても。
▼
迎え盆 (7月(8月)13日)
――――――――――――――――――――――――
□ 盆棚にお位牌を移しお供えをする
□ 迎え火
□ (地域によっては)お墓参り
▼
7月14日 (8月14日)
――――――――――――――――――――――――
□ 法要(他の日に行うこともあります)
□ お参りの人の接待
□ 盆棚へお膳などのお供え
□ (地域によっては)お墓参り
▼
送り盆 (7月(8月)15日 地方によっては16日)
――――――――――――――――――――――――
□ 送り火
□ お参りの人へ返礼がまだの場合には、後日お返しをする
・「お盆」のスケジュールについてくわしくはこちら↓
http://www.ohnoya.co.jp/faq/dictionary/obon/schedule.shtml
・「お盆」については、ホームページでも詳しくご覧いただけます。
http://www.ohnoya.co.jp/faq/dictionary/obon/index.shtml
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◆ 相談員のつぶやき 第16回「誰も住んでいない実家。お盆はどうする?」
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大野屋テレホンセンター開設時よりご相談にお答えして13年!
シニアコンサルタント・安井 睦華(やすい のぶか)が、いただいたご相談に
お答えします。
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ときえ様からのご質問です。
┏━┓
┃Q┃
┗━┛ 実家の父の新盆です。
父が亡くなってから母は老人ホームに入った為、実家には誰も住んで
いません。
母が小さな仏壇を買ってホームでお参りしていますが、親戚の人から
『仏様は家に戻ってくるので、お盆には家で盆棚や提灯を飾り、迎え
火を焚くものだ』
といわれました。どうしたら良いでしょうか。
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お盆にはお墓の掃除をしたり、仏壇や盆棚にたくさんのご馳走を用意して仏様を
お迎えします。
夏の暑い時期に、結構な手間と費用の掛かる事ですので、
本音では我が家でも、内心ほんの少し
「昔からの習慣だから・・・」 とか
「近所や親戚の手前・・・」と
重荷に感じてしまうこともあります。
でも、全ての追善供養がそうであるように、お盆の行事もまた亡くなられた方々
のためだけでなく、それをきっかけにして久しぶりに家族が集まって楽しい時を
すごすことができるという大きな意味もあることも事実です。
皆の元気な顔を見ることができて良かったなーと、結局は思ってしまうのです。
ときえ様の場合も、ご自宅にはこだわらずに、お母様がいらっしゃるホームのお
仏壇にいつもより少し奮発したお花を飾り、お父様のお好きだったものをお供え
して、皆様でご一緒に思い出話などされてはいかがでしょうか。お母様のお喜び
になっておられる様子をご覧頂く事が、亡きお父様への一番のご供養かと存じま
す。
無理をする必要はありませんが、もし出来るのであればご親戚の方が言われるよ
うに、盆の2~3日だけでもご実家にお母様をお連れして、家族水入らずの時を
過ごされるのも良いでしょう。
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埼玉県行田市 小堀様
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◆ 編 集 後 記
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今年もお盆についてお知らせする季節がやってきました。
こうして書き出してみると、お盆の用意やお供えはやることが多く、なにかと面
倒なものです。
ただ、忙しい毎日で効率を追い求めて生活しているわたしたちが、仏様をお迎え
するさまざまな用意をする中で、ちょっと足を止めて日々を振り返るいい機会に
なるような気がします。
いつも見守っていてくれること、家族や親戚、疎遠になりがちの知人の人たちが
集まる機会を作ってくれたこと、亡くなった人へ感謝の気持ちを忘れないように
したいものです。
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┌──┐株式会社 メモリアルアートの大野屋 監修 小嶋 幸夫
│\/│ 編集 川瀬 由紀
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