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第220号 「お盆の行事が7・8月の理由」(2022/05/27発行)

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メモリアルアートの大野屋メールマガジン『折々しきたり想いやり』
第220号

特集「お盆の行事が7・8月の理由」

(2022/05/27発行)

メールマガジンをご覧のみなさま、こんにちは。メモリアルアートの大野屋の小林です。

3回目のワクチン接種を終え、母と奈良に出かけました。旅の目的は、桜で有名な吉野山の金峯山寺の秘仏、金剛蔵王権現の御開帳です。これまで機会を逃していましたが、今回ようやく念願叶いました。金剛蔵王権現は三体が並び立ち、最も背の高い中央の像は7.3メートルもある圧倒的なスケール感です。修験道のご本尊で、ハッとするほど鮮やかな青色の肌に、牙をむき出しにした憤怒の表情、高く上げた右手に三鈷杵(さんこしょ)と呼ばれる仏具を持ち、右足を蹴り上げているのが特徴。スピリチュアルとかパワースポットとかはよく分からない私ですが、これにはとにかく圧倒されたものです。まぶしい新緑の中、久々の旅行は母にとってなによりのリフレッシュになりました。

金峯山寺の国宝「蔵王堂」金峯山寺の国宝「蔵王堂」

今月号 もくじ


特集「お盆の行事が7・8月の理由」

川島ママの
「昭和は遠くになりにけり」

~移りゆく冠婚葬祭のかたち~

お知らせ・イベント

特集 お盆の行事が7・8月の理由

もうお盆?と思われるかも知れませんが、大野屋テレホンセンターには毎年5月も中旬になるとお盆の仏事相談が入りはじめます。7月にお盆を迎える地域もあるので、提灯を贈る予定の方などは早めに動き出していらっしゃるようです。当メルマガでは毎年恒例のお盆特集、今回はお盆の時期についてご紹介します。

お盆イラスト

お盆の時期は大きく分けて二通り

引っ越してから地域によってお盆の時期が違うことを知って驚いた!というような声をよく聴きます。お盆の時期は大きく分けると二通りで、7月の「旧盆」と8月の「新盆(しんぼん)」があります。全国的には新盆の方が多く、旧盆は東京や静岡などの一部地域のみです。それではなぜ二通りあるのでしょうか?

明治時代の改暦

明治時代に暦を国際化する動きがあり、太陽暦(グレゴリオ暦)が採用されると、1872年12月13日は、1月1日に変わりました。お正月が半月以上も早まったのですから当時の人々は戸惑ったでしょうね。それまでお盆の行事は7月15日を中心に行われていましたが、農業の繁忙期と重なっていたこともあり、暦が変わったことをきっかけに月遅れの8月盆にする地域が増えたと言われています。

旧盆が7月15日の理由

旧盆が7月15日の理由についてもご紹介したいと思います。まず、「お盆」は古代インドの「ウランバナ」という言葉に漢字をあてはめた「盂蘭盆(うらぼん)」を略した言葉です。仏教の起源がインドにあることは皆さんご存じですね。
仏教の開祖・釈迦(しゃか)の十大弟子のひとりに目連(もくれん)という人がいました。目連は物事を見通す力、神通力に長けていたそうです。ここでむかしむかしのお話をひとつ。

雲

あるとき、目連は亡くなった母親を懐かしく思い、神通力を使って死後の世界を覗くことを思いつきました。そしてそこで見たものは、自分の母親が地獄の餓鬼道に落ち、飢えや渇きに苦しんでいるという衝撃的な姿でした。そこには同じように苦しむ亡者が沢山いました。何とか母親を助けようと食べ物や水を渡そうとしましたが、全て炎に変わってしまい...目連は釈迦に教えを乞いました。

■お盆は厳しい修行の最終日に

釈迦は「母親が餓鬼道に落ちたのは、自分の持っているものを息子以外に分け与えることをせず、物惜しみをした罪を負ったためだ」と言いました。(出家した我が子にだけ食べ物やお金などのお布施をしていたという説)母親としては自然な想いのように思えますが、釈迦は「自分たちさえよければいい」という自己中心的な考えが罪であると説きました。そして、母親や餓鬼道に落ちた人々を救うためには7月15日に僧侶を大勢集めて、たくさんの食べ物や飲み物を用意し、彼らのために法要を営みなさいと目連に教えたのです。

霊供膳(りょうぐぜん)霊供膳(りょうぐぜん)

7月15日は大勢の僧侶が安居(あんご)と呼ばれる夏場の厳しい修行を終える日だそうです。修行で徳を積んだ僧侶たちがひとつになって餓鬼道に落ちた人々を救う。これが盂蘭盆会(うらぼんえ)すなわちお盆のはじまりだと言い伝えられています。

お盆の時期が異なる場合どうする?

毎年多いお問い合わせをご紹介します。

A子さんは既婚者で都内在住。現在暮らす地域は7月盆です。昨年に義父が亡くなり、今年初めてのお盆を迎えます。義母は健在で、関西の8月盆の地域に暮らしています。
夫婦で提灯を贈ることにしましたが、義母の元にはいつ届くようにするのが良いでしょうか?

答えは「8月13日より前に届くよう、余裕をもって贈る」です。
A子さんの義母は8月盆の地域に住んでいるので、提灯を飾る時期は一般的に8月13日から8月16日までの期間です。提灯を箱から出して検品や組み立てをする時間も必要ですから、余裕をもってお贈りしたいものですね。

盆提灯は一対じゃないと駄目?

「先方が集合住宅に住んでいるので一対で贈っても置き場所に困りそう」というご相談も寄せられます。確かに盆提灯は対で飾る慣習がありますが、結論から申し上げると、一対でなくてはいけないという決まりはありません。伝統的な仏壇の内部を見ると仏具は左右対称に飾りつけられていますよね。仏具は仏様を厳かにするためにあり、この見栄えを考えて対にしています。盆提灯もそれにならって対にしていると言われます。また、提灯の数は故人がいかに慕われていたかを表すとも言われてきました。

盆提灯イラスト

盆提灯は飾りとしての用途のほかに、提灯の明かりが、ご先祖様が帰ってくるときの目印になるとも伝えられています。多いにこしたことはないでしょうが、心を込めてお贈りするのであれば、盆提灯の数は問題でないはずです。実際に仏具店では盆提灯をひとつから求めることができます。また、高さ30センチくらいの小さめな盆提灯もありますので検討されてはいかがでしょうか。

お盆用品はこちらからどうぞ。
メモリアルアートの大野屋WEBSHOP

川島ママの昭和は遠くになりにけり01
~移りゆく冠婚葬祭のかたち~
川島ママの昭和は遠くになりにけり02
【川島ママ】 テレホンセンターにて「終活・仏事アドバイザー」を務める冠婚葬祭のエキスパート。お客様からの信頼も厚い、大野屋の生き字引的頼れる存在。
 川島ママの昭和は遠くになりにけり03

もうすぐ梅雨に入りますね。この時期は特に体調に気を付けないといけません。皆さまもどうぞお体を大切にお過ごしください。

さて昭和から平成、そして令和と時代は移り、冠婚葬祭についてもこの間、大きく変化しました。実は以前、ホテル業に携わっていましたが、婚礼も随分と変わったものです。

1980年代までは、あたり前の事として媒酌人(仲人)を立て、結婚式は両家の絆を結ぶ大切な儀式として、また披露宴は新郎新婦がこれからお世話になる方々への挨拶の場として、欠かせないものでした。
1990年代のバブル崩壊後になると、家よりも新郎新婦が中心という考えが主流となり、全てを両親抜きで本人たちで決めていくスタイルが定着。挙式の形態は神前式からチャペル式に移り、「ジミ婚」という言葉が生まれる一方、海外で挙式を挙げる方も増えました。披露宴の代わりに会費制のパーティーというかたちも。
2000年代以降は更に簡略化されて、挙式のみで披露宴をしない例や、結婚式そのものを行わない例も増えました。仲人を立てるケースは、2020年にいたって全体のわずか0.8%だったそうです。

そして、葬儀についてもこの20年で大きく変化しています。それでも2000年代まではまだ、従来型の葬儀も多く行われていました。
ご近所には回覧板や掲示板でお知らせし、会社関係には訃報を届けて、関係各所に式の日時、場所をお伝えし・・・お通夜には近所や会社関係、友人知人が大ぜい参列されて、喪主をはじめご遺族の方々はご挨拶や個々の対応などで大変だったものです・・・自宅でとり行うとなると一族総出です。
もちろん故人のために多くの方が集まってくださることはとても嬉しいものです。また遺族も知らなかった故人の人となりを参列された方から聞くこともできたり、親族のコミュニケーションを深める場であったり、商売をなさっているご家庭では、お客様や関係者に対する世代交代の挨拶の意味合いもありました。
その反面、義理の参列等も多く、ご遺族が最後のお別れをゆっくりとできないような状況も現実としてあったのです。

百合

その揺り返しか、2010年前後になると近親者や特に親しい人だけで葬儀を執り行う「家族葬」が顕在化します(それまでにもあったのですが、ちゃんとしたネーミングが定着していませんでした)。婚礼同様、家から核家族、そして個人へと移り、超高齢化社会といった環境も影響して、私たちの生活や意識が変化しています。死を生活の一部として受け入れるのではなく、遠ざける傾向に進んでいるとも指摘されています。
そしてこの数年、コロナ禍も背景にして、お通夜をせずに葬儀告別式のみ行う「一日葬」や、火葬のみで済ませてしまう「直葬」がいっきに拡がりました。

冠婚葬祭に限った話ではありませんが、絶えずものごとは変化していきます。だからこそ、私たち業界の者は、時代に沿った新しいかたちを常にご提案できる努力が欠かせません。同時に残しておきたい大切なこと~悲しみを癒す、先祖を忘れず思い続ける、祈り「供養」~は、これからも守り、伝えていきたいと思うのです。

お知らせ・イベント

◇都立霊園なんでも相談会

「都立霊園ってどんなお墓?」「申し込み条件があるって本当?」「遠くのお墓を墓じまいして都立霊園に移せる?」など、都立霊園はもちろん、お墓にまつわることならなんでもご相談に乗らせて頂きます。

 会場:cocobunji WEST 5階(東京都国分寺市)
 開催日:6月3日(金)10:00~16:00
     6月17日(金)10:00~16:00

 会場:メモリアルアートの大野屋 多磨店
 開催日:6月11日(土)10:00~16:00
     6月12日(日)10:00~16:00

 会場:メモリアルアートの大野屋 小平店
 開催日:6月18日(土)10:00~16:00
     6月19日(日)10:00~16:00

◇お墓のなんでも相談会

墓じまいやお墓の引越し、建墓工事、メンテナンスなど、お墓に関することならなんでもご相談ください。

 会場:常光閣(千葉市中央区)
 開催日:6月14日(火)10:00~16:00

◇人形供養祭

今まで大切にしてきたお人形、ぬいぐるみを感謝の気持ちを込めてご供養いたします。

 会場:フューネラルリビング横浜(横浜市都筑区)
 開催日:6月26日(日)11:00~
※この催しはご予約制です。お申し込みの詳細についてはこちらをご覧ください。

大野屋テレホンセンター
(フリーダイアル)
0120-02-8888
365日年中無休 (受付 9:00~17:00)
■ 新型コロナウイルス 感染防止対策 について
大野屋ではお客様と当社社員の安全を第一優先に、地域の葬祭事業を通じた供養のライフラインとしての社会的責任を果たすため、新型コロナウイルス感染防止に取り組んでおります。
当社社員は接客の際にマスクを装着し、手洗いを定期的に行い、ソーシャルディスタンスを保つように心がけております。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

◆メールマガジンへのご意見、ご感想、お問い合わせは
 m-pr@ohnoya.co.jp
◆ご相談は 仏事相談フォーム へどうぞ。

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