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第224号 「~歴博に学ぶ供養の変容 part2~」(2022/09/25発行)

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メモリアルアートの大野屋メールマガジン『折々しきたり想いやり』
第224号

特集「~歴博に学ぶ供養の変容 part2~ 」

(2022/09/25発行)

メールマガジンをご覧のみなさま、こんにちは。メモリアルアートの大野屋の小林です。

山形県の天童市へ、ちょっと遅めの夏休み旅行に出かけてきました。ご存じの通り、将棋ファンとして一度は訪れたい将棋駒の産地です。タイトル戦に使われる対局室の見学では感無量。またインパクトがあったのは「鶏中華」です。天童に行ったらこれを食べずには帰れないという名物で、プロ棋士の来店もある蕎麦屋でいただきました。かつおの風味が香ばしい和風だしに胡椒がピリッと効いたスープを、中華麺に合わせたところが特徴です。トッピングの鶏肉とあげ玉の油分でコクが加わり、和食でもない中華でもない、唯一無二の味わい...実に美味でした!

蕎麦屋のまかないからメニュー化した「鶏中華」蕎麦屋のまかないからメニュー化した「鶏中華」

今月号 もくじ


特集「~歴博に学ぶ供養の変容 part1~」

川島ママの
「昭和は遠くになりにけり」

~「秋彼岸」をどう過ごす?~

お知らせ・イベント

特集 歴博に学ぶ供養の変容 part2

前号に続き、国立としては唯一の歴史博物館である千葉県佐倉市の「国立歴史民俗博物館(歴博)」の展示を中心にお送りします。第4展示室のテーマは「列島の民族文化」です。葬祭サービスを提供する私たちとしても、非常に気になる「死との向きあいかた」の展示や説明に焦点を当てて見学してきました。

■葬列の廃止による変化

かつて葬儀の中心的な儀礼が"葬列"だったことをご存じでしょうか?葬列は「野辺送り(のべおくり)」とも呼ばれ、近親者や地域の人たちが棺を担ぎ、葬儀場(主に自宅)から火葬場(または埋葬先)まで列を組んで送り出すものです。

和歌山県串本町岩渕地区の葬列和歌山県串本町岩渕地区の葬列

この葬列が、交通の発達や経済的な負担、時間の効率化や意識の変化などにより都市を中心に廃止されていくと、代わって一定の場所に集まって行う"告別式"が中心的儀礼となっていきました。
この変化によって、死者との関係は「送り出すこと」から、「別れを告げること」に重点が置かれるようになったと考えられているそうです。

■共同体による他界への送り出し

葬列は単に棺を運ぶだけでなく、死者を他界に送るための重要な儀礼でした。このため、死者との関係に応じて役割も決まっていて、位牌を持つ者、棺が納められた乗物である輿を担ぐ者、供物や拝礼道具といった旅立ちの必要品を運ぶ者など、定められた位置で従い歩きました。こうして地域の人々とともに行列を組み、「この世との境界」とされた村境や寺院の庭まで来て、僧侶が引導して他界へ送り出したのです。

位牌に近付くにつれて、死者と関係の近い親族の役目になる位牌に近付くにつれて、死者と関係の近い親族の役目になる

縁側から出棺する際に行われる"茶碗割り"の慣習は、映画などで目にしたことがある方もいらっしゃるでしょう。これは故人がこの世に未練を残さないよう、愛用していた茶碗を割って、この世との関係を絶つという意味あります。都市部では滅多に見られなくなりましたが、地方には今も行われる地域があります。

■時代と共に変化し続ける葬儀

鎌倉時代から明治時代までの葬儀の変化を抜粋し、表にまとめてみました。

鎌倉時代 浄土思想、禅宗の伝来により武家を中心に葬儀の儀礼が広まっていく。
江戸時代 "寺請制度"が出され、全ての人は寺院に所属。葬儀・法要の一切が所属寺院で執り行われるようになる。
明治1~4年 王政復古の大号令により"神仏分離令"が出されると神道が国教に。寺請製度は廃止、神葬祭(神道形式の葬儀)が一般市民にも認められるようになる。(但し仏式の葬儀も継続して行われていた)
明治5~6年 "自葬禁止の布告"が出され、葬儀の一切は神官・僧侶にて執り行われるようになる。
明治22年~ 日本帝国憲法で"信教自由の原則"が保障される。それまでの仏式・神式の葬儀の代替として"告別式"が誕生。

明治の半ばごろに誕生した告別式は「会葬者の拝礼部分を独立させた儀礼」となり、合理的な儀礼として都市部に広まっていきます。昭和初期には、通夜・告別式を自宅で連続して行うようになり、祭壇が登場しました。戦後になると告別式は全国に浸透し、1990年代以降には"専用斎場"の利用が進むとともに、病院から自宅への搬送が減少します。そして近年では、直葬(ちょくそう・じきそう)と言われる、火葬のみ行う葬儀も一定の割合を占めるようになりました。
歴博の見学を経て、葬儀は悲しみを癒すしくみであるとともに、社会を形成する役割もあったことがよく分かりました。そしてまた人々が支え合って生きていくための知恵なのだと強く感じます。私もさらに歴史や民俗の知識を深め、これからの社会、今を生きるひとりひとりの皆様にあった供養のあり方を考えていきたい、と改めて思いました。

川島ママの昭和は遠くになりにけり01
~「秋彼岸」をどう過ごす?~
川島ママの昭和は遠くになりにけり02
【川島ママ】 テレホンセンターにて「終活・仏事アドバイザー」を務める冠婚葬祭のエキスパート。お客様からの信頼も厚い、大野屋の生き字引的頼れる存在。
 川島ママの昭和は遠くになりにけり03

今年の秋彼岸は、ちょうど大型の台風14号と重なりました。特別警報の発表や鉄道の運休も頻発し、郷里が遠方にある皆様はお墓まいりを断念された方も多いのではないでしょうか。心残りですがこうした時は安全第一、くれぐれも無理はなさらぬよう。

ところで15年ほど前から、お墓の引越しや墓じまいといったご相談を多くいただくようになりました。お墓が遠方にあったり、不便なところにあったりして大変だ、あるいは後継ぎがいなくて将来お墓を守っていくことができない、といったご事情が大半です。

お寺や霊園が代わって供養をしてくれるお墓~「永代供養墓」~についてのお問い合わせもよくいただきます。
最近は「(有期限の)永代供養付きお墓」という形式も増えてきました。20年や33年といった一定期間は墓石を建てたお墓に埋葬し、ご供養を続け、期間を過ぎると永代供養墓に移して供養してもらえるというものです。
交通網が発達し、遠くが近くなったと感じるようになったとは言え、少子化や核家族社会といった時代背景もあり、お墓のありかたは変化しているようです。
どのようなかたちでも、お墓のある方は幸せだと私は思います。お墓まいりに行けば、亡くなられた家族や大切な人を身近に感じることができるからです。それは「永代供養墓」のお墓まいりでも同じです。

子供のころ、よく祖父母から「ついでまいり」はしてはいけない、と言われました。何かのついでにお墓まいりをしてはいけないということですが、それだけ故人やご先祖様への祈りは大切だということを伝えたかったのでしょう。
ただ私は、例えばお墓まいりの帰りに買い物する、誰かと一緒に食事をする、それでも全くかまわないと思うのです。例えば年に一度、遠方のお墓参りに家族で行って、そのあと温泉に泊まったり、ゆっくり親戚と時間を過ごしてもいいのではないでしょうか。
あくまで主たる目的はお墓まいりです。その後に買い物や観光などを楽しんでもいいと思うのです。

仮に故人やご先祖様が、そうした家族や子孫の元気な姿をみて、はたして怒るでしょうか?喜んでくれることはあっても、怒ることは絶対にないと私は思います。
お彼岸はお墓まいりの予定になにかプラスアルファして、より幸せな気持ちになれる行事にしてみてはいかがでしょう?ただし、無理は禁物ですよ。

お知らせ・イベント

◇お墓のなんでも相談会(要予約)

お墓に関する疑問やお悩みを、ぜひこの機会にご相談ください!いずれも開催時間は10:00~16:00となっております。

10/1(土)飯能市市民会館
10/9(日)八王子市学園都市センター
10/16(日)和光市民文化センター サンアゼリア
10/23(日)三鷹市公会堂
10/30(日)新座市民会館

ご予約は大野屋テレホンセンター 0120-02-8888 まで
365日 年中無休 営業時間 9:00~17:00
または予約フォームからどうぞ

◇人形供養祭

今まで大切にしてきたお人形、ぬいぐるみを感謝の気持ちを込めてご供養いたします。

 会場:常光閣(千葉県千葉市中央区)
 開催日:11月3日(木)11:00~

この催しはご予約制です。お申し込み詳細についてはこちらからご覧ください。

大野屋テレホンセンター
(フリーダイアル)
0120-02-8888
365日年中無休 (受付 9:00~17:00)
■ 新型コロナウイルス 感染防止対策 について
大野屋ではお客様と当社社員の安全を第一優先に、地域の葬祭事業を通じた供養のライフラインとしての社会的責任を果たすため、新型コロナウイルス感染防止に取り組んでおります。
当社社員は接客の際にマスクを装着し、手洗いを定期的に行い、ソーシャルディスタンスを保つように心がけております。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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◆ご相談は 仏事相談フォーム へどうぞ。

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