お葬式は、大切な方を偲び、感謝を表す場です。想いを込めてきちんと送ってさし上げるためにも、
正しいマナーをプロの目線でアドバイスします。

ご存じですか?お焼香の作法

仏式のお葬式では、抹香による焼香が行われることが一般的です。抹香をつまむ回数は、宗派や地域によりさまざまな作法がありますが、何よりも基本を覚えておけば落ち着いて行動できます。

■お焼香の基本

① 遺族に一礼して焼香台に進みます。
② ご本尊様、遺影に向かい一礼。
③ 指でつまんだ抹香を目の高さまでおしいただき、静かに香炉にくべます。(回数、抹香をおしいただくかは宗派によって違いがあります)会葬者が多い場合、葬儀社より「一回でお願いします」という指示がある場合もあります。
④ 合掌し、数歩さがって遺族に一礼します。

意外に知らないお香典の目安

お香典の額に実は決まりはありません。故人とのご関係、お付き合いの程度、地域の慣習や親族のお考えによって異なるものです。それでも失礼にならないよう、目安の額だけは覚えておくと良いでしょう。また、中に入れるお札は新札を使わないという慣習があります。新札だと事前に準備しておいたようで失礼になるという考えからです。もし新札を使う場合には一度折り目をつけたものをお包みします。

■香典額の目安

宗教によるお葬式作法の違い

お葬式も宗教によって作法が違います。
いざというときのために、キリスト教式、神式の作法をご紹介しましょう。

■[キリスト教式]献花の仕方

① 花の部分が右に来るよう、右手は花を下から、左手は根元を持ちます。
② 祭壇前で遺影に向かって一礼。花が自分側に向くように花を時計回り(右回り)に回します。
③ 左手の甲が下になるように返しながら、花が自分側を向くように献花台に置きます。
④ 軽く頭を下げて黙祷。数歩下がり、神父または牧師、遺族に一礼します。

■お包みの準備

お香典に相当するお包みは白無地封筒か、百合の花、十字架が印刷されたもので、上書きはプロテスタントの場合「お(御)花料」、カトリックの場合「御ミサ料」などとします。

■[神式]玉串奉奠の仕方

① 玉串の根元を右手で上から包むように、左手で枝先の下から持つように受け、案(あん/玉串を置く台)に進みます。
② 玉串を胸の高さまで持ち上げたら、右手(根元)を手元に引き、玉串を縦にします。
③ 次に左手を根元に、右手を枝先へと持ち替えます。
④ 玉串を時計回り(右回り)に回転させ、根元が玉串案の方へ向くように置きます。
⑤ 深く二回礼をし、音を立てずに忍び手で二拍手、最後に再び深く一礼をします。

神式では、仏式のようなお焼香はなく、「玉串奉奠」といって、玉串を奉って「二礼二拍手一礼」の作法で拝礼します。拍手の際は大きな音を立てないように両手を合わせます。これを「忍び手」といい、悲しみと慎む心を表します。

■お包みの準備

お香典に相当するお包みの上書きは「(御)玉串料」「御榊料(おさかきりょう)」「御霊前」などとします。
水引は神式専用の双白のほか、白黒、双銀でも構いません。神式の場合、蓮の花が印刷・型押しされた袋は使いません。

■そのほかの心得

神式の場合、お悔やみの言葉に仏教用語(冥福、成仏、供養など)を用いないよう留意します。また、喪家の作法を尊重し数珠は使わないほうがよろしいでしょう。

Interview

  • コンシェルジュ
    鍋島 美里(なべしま みり) 
    お式の準備・案内、誘導・司会を担当。
    先読みをすること、わかりやすいご説明をすることを心がけております。


※プロフィールおよびインタビュー内容は2016年4月時点のものです

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